Leica Minilux
伝説の高級コンパクト、その系譜を紐解く
ライカミニルックスの世界へようこそ
1990年代、高級コンパクトフィルムカメラ市場が熱を帯びる中、ライカはその象徴的な存在として「ミニルックス」シリーズを世に送り出しました。卓越した光学性能、堅牢なチタンボディ、そして時代を超越したデザイン。このインタラクティブガイドでは、初代「ミニルックス」からその後継機「CM」まで、各モデルの種類と違いを深く掘り下げ、その揺るぎない魅力を探ります。
Leica Minilux (1995)
孤高の描写力、ズマリット40mm
シリーズの原点。伝説的な`ズマリット 40mm f/2.4`レンズを搭載し、そのシャープネスと豊かな階調表現で多くの写真家を魅了しました。絞り優先AEを備え、撮影者の意図を反映できる創造性の高いモデルです。チタン製のボディは、ライカならではの所有する喜びを与えてくれます。
クイックスペック
レンズ | ズマリット 40mm f/2.4 |
露出モード | プログラムAE, 絞り優先AE |
最高シャッター | 1/400秒 |
製造国 | 日本 |
ホットシュー | 基本タイプ |
Leica Minilux Zoom (1998)
利便性を追求したズームレンズ
より幅広い撮影シーンに対応するため、`バリオ・エルマー 35-70mm f/3.5-6.5`ズームレンズを搭載したモデル。単焦点の描写力には一歩譲るものの、スナップからポートレートまで一台でこなせる柔軟性が魅力です。絞り優先AEは省略されましたが、外部フラッシュ用のホットシューが強化されました。
クイックスペック
レンズ | バリオ・エルマー 35-70mm f/3.5-6.5 |
露出モード | プログラムAE (シフト付) |
最高シャッター | 1/250秒 |
製造国 | 日本 |
ホットシュー | ISO規格強化 |
Leica CM / CM Zoom (2004)
洗練された後継機、メイド・イン・ジャーマニー
ミニルックスシリーズの集大成。「Compact M」を意味するCMは、デザインがM型ライカに近づき、製造もドイツ本国へ移管されました。シャッター速度の高速化、ホットシューのさらなる強化など、操作性と信頼性が向上。単焦点の「CM」とズームの「CM Zoom」の2モデルがラインナップされました。
クイックスペック (CM 単焦点)
レンズ | ズマリット 40mm f/2.4 |
露出モード | プログラムAE, 絞り優先AE |
最高シャッター | 1/1000秒 |
製造国 | ドイツ |
ホットシュー | ISO規格, Metz SCA3000対応 |
インタラクティブ比較ツール
気になる2つのモデルを選択して、スペックとレンズ性能を直接比較してみましょう。下のドロップダウンメニューからモデルを選んでください。
スペック比較
レンズ性能レーダーチャート
コレクターズコーナー:限定モデル
ミニルックスシリーズは、その人気から数々の限定モデルが生まれました。ここではその一部をご紹介します。
DBエクスクルーシブ
スネークスキンをあしらった豪華なモデル。限定2000台。
ブラックラッカー
「激レア」とされる艶やかな黒塗りモデル。時計とのセットも存在。
タンタン
有名なキャラクター「タンタン」とのコラボ。限定200台の希少品。
ボグナー セット
ファッションブランド「ボグナー」のレザーケースが付属するズームモデル。
キャスター限定
日本のJTキャンペーン用に作られた希少なシルバーモデル。
購入時の注意点:知っておくべきこと
最重要:恐るべき「E02エラー」
ミニルックスシリーズ最大の弱点。レンズ制御基盤の故障で、発生するとカメラは使用不能になります。これはシリーズ共通の「持病」であり、中古購入時はこのリスクを十分に理解する必要があります。修理は可能ですが、高額になる場合があります。
小さなファインダー
「井戸の底を覗くよう」と評されるほどファインダーは小さく、視野率も約85%と広くありません。厳密なフレーミングには慣れが必要です。
操作上の癖
フラッシュモードの切り替えが煩雑であったり、電源オフで設定がリセットされるなど、現代のカメラにはない操作上の癖があります。
最短撮影距離
70cmと、テーブルフォトなど被写体に寄りたい場合には少し物足りなさを感じるかもしれません。
外装の経年劣化
チタンボディでも傷はつきます。また、ファインダー周りのプラスチック部品が加水分解でベタつくことがあります。
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